第24章 戦士の安らげる場所〜麻雀牌は愛を語る編〜
そうして翌日。
ピンクのエンジェルが目を覚ます。あっ、僕の事ね?そう!トド松だよ!
僕はグーッと伸びをする。
皆で雑魚寝したせいで、お尻がものすっごいヒリヒリするんだけど。いくら畳だからって布団がないと痛い。
何となく手でほっぺを触ると、いつものモチモチした肌がちょっとザラザラしてる!
あー、昨日お肌の手入れキッチリしてなかったからお肌が荒れちゃったじゃん!
「ん、やらかしちゃった」
僕の周りに僕と同じ顔をした兄弟が、2人ほどおっきい口を開けて寝てる。
それにしてもすっごいイビキだね、十四松兄さん。
皆それぞれの部屋にベットがあるんだけど、十四松兄さんは専用の棺おけもあるんだ。理由?うん、イビキが尋常じゃないからうるさい時におしこむためだよ
「それにしても、最近昼夜逆転してるなぁ」
鈴音ちゃんが来てからというもの、みんながみんな昼夜逆転してる。ほら、忘れてるかも知れないけど僕らヴァンパイアだし。本当は夜が人間からしたら僕達の朝で、朝が夜ってわけ。
「あー、それにしても早く起きすぎちゃった」
ゆっくりと後ろに腕をまわして、ぐーっと引っ張る。
「妖精のお兄ちゃん」
くるりと声の方を振り向けば、ヒヨコのパジャマのまま僕を見つめる可愛い子。
「んー、鈴音ちゃんおはよう?ふふっ、今日も可愛いね?」
おいでおいでと手招きすると、とてとてと効果音がなりそうだ。
「おはよう、妖精のお兄ちゃん」
ニコッと笑う顔が可愛い、けどちょっと複雑でもあってチリっと心の焼ける音がする。
「おはよう、鈴音ちゃん、僕の事はトド松でいいよ?」
さすがに妖精のお兄ちゃんじゃ呼びづらいだろうし、なんて思いながら口に手を当て可愛く、ふぁっとアクビを一つ。
あざとい?何のことかわかんないなー
「うん、トド松お兄ちゃん」
「なぁに?」
お兄ちゃん、か...
ふふっと笑いながら、そっと鈴音ちゃんの頭を撫でる。
「お願いがあるの、トド松お兄ちゃん」
「ふぅん?どんなお願い?」