第24章 戦士の安らげる場所〜麻雀牌は愛を語る編〜

こうなったら、もうどうにもこうにも勝つしかない！

「あっ、今お前勝つしかないって思っただろ？」

図星をついてくるおそ松に、ヒヤリと背中に変な汗が伝う。

「ねぇ、カラ松兄さん、明日デートなんだっけ？いいの？僕らと麻雀してて？」

な、なな、何故だトッティどうしてその事を知っているんだ？！

「あっ、そうそう最近て便利な世の中だよね？子どものさ元気な姿をいつでも見られるように、カメラをぬいぐるみの中に搭載して体温まで測れるんだもんねぇ？でもまさか抜け駆けしてる所を発見するとか思わなかったなぁ」

影のある顔でそう言い放ったのは、チョロ松だ。この間テディベアをあげていたのをまた思い出し、背中に氷でも入れられたみたいにゾクッとした。

「ま、待ってくれブラザー達！俺は何も抜け駆けしようとしていた訳じゃない！ただ、レディのスマイルが見たかっただけなんだ！」

「そんなのみーんな一緒だとお兄ちゃん思うけど？」

俺の打った球を豪速球で返してくる長男の言葉の説得力に全員がうんうんと頷く。

「ねぇ、カラ松兄さん」

真後ろから声がして、ガタガタと身体が震え始める。いや、武者震いさ！ただの武者震いさ！

「皆が終わったら次は僕、一緒に麻雀して遊びマッスル」

「あ、ああ！オーマイリル十四松！もちろんだ！だから頼む、真後ろに立たないでくれないか！」

何故だ！何故こんな事になってしまったんだ！
俺はブラザー達の喧嘩を止めたかった、レディが悲しむと思ったからだ、なのに何故こんなことに！

「お前が持ちかけた勝負でしょ？お兄ちゃん売られた喧嘩は全力で買うのがモットーなんだよ。カラ松」

「ふふ、僕もね普段は大人しいし、売られた喧嘩だって面倒だからめったに買わないけど、今日は特別...ね？」

「なぁ、カラ松、僕さ他のことならまだ我慢してる方だと思うんだ？だって僕らだって兄弟だし、なにより常識ある僕までキレちゃったら誰も収集つけられないと思わない？でも、鈴音ちゃんの事となると話は別だよ」

「あっはは！ねぇ、カラ松兄さん僕と遊んでくれるよね？」

ふふふっと4人からどす黒い影が見え隠れする。

こんな展開誰も望んでなーーーーい！！！！！