第24章 戦士の安らげる場所〜麻雀牌は愛を語る編〜
赤く染まる頬を、優しく撫でる。
柔らかい肌は乱暴に触ってしまえば、すぐに壊れてしまいそうだ。
悪夢からでさえも、レディを守ってやりたいがどうしてやれば良いだろう?
少し考えて思いついた言葉を並べる。
「そうだレディ、今度俺とデートしよう」
「デート?」
毛布が少し動いたのを感じれば、レディが首を傾けたのがわかる。
「あぁ、レディの好きな所に俺が連れていこう、それで沢山色んなものを見よう。そうすればきっと悪夢など忘れられるさ」
さすが俺、妙案だ。
疲れて眠れば、悪夢にうなされることだって少ないはずだからな。しかもレディの喜ぶ顔も見れるし、まさに一石百鳥だ。
「いいの?」
申し訳なさそうに眉を下げる、すかさずいいに決まっているさと言えば嬉しそうな笑顔の花が咲く。
「じゃあ、じゃあね明日!明日がいい」
「おお、急だな?しかし善は急げともいう。わかった明日だ明日俺とデートしようレディ」
窓から届く月明かりが部屋を明るく照らす。
優しい光の中で、小さな手が伸びてくる。
「じゃあ、約束だよ?カラちゃん」
小さな小指に絡める指は、ほんわりと熱を帯びる。
「あぁ、約束だ!俺は約束を守る男!カラ松だからな!」
「じゃあ絶対大丈夫だね」
素直に俺の言葉を信じるレディに、きゅうっとハートを掴まれる。
これはどんな事があっても、たとえ明日槍が降ろうとも落雷がこの身に堕ちようとも約束は死んでも守らなければ!
繋いだ小さな小指に誓いながら、そっと指を離す。
「さぁレディ、そうと決まればさっそく寝なければな?」
「うん!おやすみなさいカラちゃん」
にこりと柔らかく微笑んで、そっと目を瞑るレディをまたトントンとあやす。
「あぁ、そうだレディ子守唄でも歌おうか?」
俺の一言に返ってこない返事に顔をのぞき込む。小さな呼吸音がきこえすっかり夢の中へ誘われるレディ。
「ふっ、寝てしまったか...おやすみ愛しいレディ」
この可愛い小さなレディが優しいドリームを見れますようにと祈りながら、おでこにもう1度小さなキスを落とした。