第24章 戦士の安らげる場所〜麻雀牌は愛を語る編〜
「カラちゃん、あのね...」
トントンと小さなレディを寝かしつければ、数多ある星の中で光る一等星のような瞳と目が合う。夜の闇に光る瞳は何かに怯えているようで、揺れていた。
「私、私はここにいていいのかな?」
スモールマウスからとんでもない事を言い出すものだから、驚いた。
「あのね、声がするの...お前さえ居なければよかったのにって...声がするの」
あやす手を止めて、じっとレディを見つめる。
大人の時のレディには微塵も見れなかった弱さに震える姿がそこにあった。
子どもはよくドリームにうなされると、何かの書物で見たことがあった。大人より悪夢をみてしまうのだと、きっととても怖くて悲しいドリームを見てしまったのだろう。
それと同時にドリームは自分の精神世界をうつすミラーだとも、聞いたことがある。だとするならと考えればズキリと痛む俺のハート。
ハートの痛みを闇夜に隠しながら、そっと言葉を紡ぐ。
「レディ、レディはここにいたいか?」
頭を優しく撫でながら問えば、目を細めてコクンと小さく頷くこの子が愛しいと思った。
ここにいたいと思ってくれているならば、俺が伝える事は一つだけ
「なら、ここにいればいいんだレディ。俺はレディがいてくれて嬉しいぞ?」
大きな目を輝かせて、本当に?と小さくつぶやく。嬉しそうな顔にふっと笑みを零しながら何度も頭を撫でた。
「もちろんだとも、そうでなかったら、俺は今ここにいない。俺が添い寝するのはレディにだけさ」
「私だけ?」
少し眠たそうなレディのふんわりと可愛らしい声に耳を傾けながら、毛布をかけ直す。
「そうだレディ、レディが愛しいから俺はここにいる」
「愛しい?愛しいってなあに?」
ふっ、今のレディには少し言葉がむずかしかったろうか?
「可愛くて、可愛いくて仕方ないということさ?こんなに可愛いレディを誰が嫌うというんだ?そうだろう?」
俺の言葉に毛布に顔を隠しながら、頬を赤く染めて笑う。