第6章 ブレックファーストはドレスコードで....
髪を一束すくって、口に近づけてみれば
今度はシトラスの匂いがした....
ったく
お前もかよカラ松....
爽やかな香りがこんなに不快な気持ちになるなんてな....
全部消してやりたい
他のやつらの匂いなんて....
....でも
俺は男である前に兄であることを選ぶ
弟たちの悲しい顔なんて見たくないし....
まぁでもさ、それを選ぶのは結局鈴音だし、なーんも言えないんだけど....
手を大きく開くと
指の間からこぼれ落ちる鈴音の髪
長すぎな気もするな....
なんだっけ?月の国のお姫様だっけ?
かぐや姫みたい....
いやいやまてまて、そんな柄じゃないか....
かぐや姫みたいに鈴音は自分の運命を素直に受け入れるような奴じゃない
むしろひねくれそうな気がしないでもない....
そんなとこも可愛いけどさ....
つーかそそる
無理にでも自分のものにしたくなる欲求....
「あっ.... でも俺大嫌いっていわれたっけ?」
今思い出したらお兄ちゃんちょっと傷ついちゃったわ....
まぁ、それもあって火がついちゃったんだけど....