第24章 戦士の安らげる場所〜麻雀牌は愛を語る編〜
甘えたい時は甘えたって構わないというのに...
でも、そんな所もまた可愛らしく全員が骨抜きにされてしまうのもわかる気がするな。
「レディ大丈夫だから、膝においで」
俺の一言にコクンと頷き、膝の上に枕を置く。
恐る恐る頭を乗せて、小さくまるまると元々小さい体がより小さく見えた。
「いい子だレディ」
そっと頭を撫でてやれば、サラサラの柔らかい髪の毛が指を通り抜ける。
今も昔も綺麗な髪は健在なんだな。
ぎゅうっと枕を掴み取る手が小さく皺をつくる。
「ツモ!」
おっと、どうやら十四松がゾーンに入ったようだ。これはこれからうるさくなるに違いない。
「レディここではうるさくて眠れないかもしれないぞ?部屋に戻るか?」
髪を撫でながらそう言えば、フルフルと首を降る。どうやら透明人間が相当怖いらしい。
「そんなに透明人間が怖いのか?」
「うん、あのね2人いるの。いつもの透明人間は大丈夫だけど、今日のは怖いの」
子どもは時として、不思議なことを言うものだが。俺達に見えていない世界が見えているのかもしれないな。まぁ、俺達も普通の大人には見えない世界の住人だが
「そうか、なら俺がレディが眠るまで一緒についているからそれなら大丈夫か?」
「いいの?」
不安げに揺れる瞳に、優しく笑いかける。
「レディ、甘えたい時は甘えていいんだ」
幼子とは思えない程の気の使いぶりに、心底この子がどれだけ沢山の事を我慢してきたのかよくわかる。
この小さな身体にどれほど辛いことを溜め込んできたのか、俺にはわからない。
それが大人になっても変わらないものだから、どうにかしてやりたい。それは大人でも子どもでもレディに抱く想いだ。
「じゃあ、一緒に来てカラちゃん」
「よし、わかった行こうレディ」
一つだけ子どものレディが違うところは、素直だということだろうか?
ふっと笑いながら、枕ごとレディを抱き上げる。