第23章 3時のおやつは愛をこめて
「去れ、お前なんか呼んでない」
僕が静かにそう言ったら、ぷくっと頬を膨らませる全く可愛くない馬鹿。
「やだー、チョロちゃん冷たーい!鈴音ちゃーん、チョロちゃんがね、俺のこと苛めてくるー」
小さい鈴音ちゃんの後ろに隠れながら、とんでもないことを言い出すクズ。
「ダメだよチョロちゃん!いじめちゃメッ!だよ?」
真剣な顔して言われた。
メッ!?今。メッていったの!?
か、か、か....
可愛いいいいぃぃ!!
ひゃっふー!なにそれなにそれ、なんのプレイ!?なんのご褒美!?
もう勘弁してよ、そんなこと言われたら僕、僕。
「ごめんねぇ、あーんまりいきなりだったから僕びっくりしちゃったんだよー」
頬を緩ませまくりながら、こぽこぽと紅茶をティーカップに注ぎ込む。
「いーにおい!」
広がる紅茶の優しい香りに、ニコニコと笑う鈴音ちゃんと自分の為に入れた紅茶をなんの断りもなく飲み始めるクズ。
「んー!うんまぁい!チョロちゃんこんなに紅茶入れるの美味かったんだねー!」
なんだってこいつは、いつもいつもこう図々しくいれるんだろうな!
あーあーあー!腹立つわー!ケツ毛燃えるわ!
そんな腹立つ原因の横には、紅茶をふうふうしながら飲む癒し。
「ごめんねチョロちゃん、私猫舌だからすぐ冷ますね?」
あぁあぁ!かっわいい!もうかっわいい!好き!普通に好きー!!!
悶え死にそうになるのをおさえながら、仕方なしにもう1個カップを出して紅茶を注ぐ。そうこうしてるうちに、冷ました紅茶を1口飲む鈴音ちゃんは美味しいと笑った。
「これ、なんの紅茶なの??」
「んー?ダージリンだよ?」
それにしてもこの歳でストレートで紅茶飲めるとか、通だな。そしてその横でミルクを入れ始める馬鹿野郎。
ダージリンはストレートで飲むんだよ馬鹿!紅茶のシャンパンとまで言われてるんだよ!
僕も最近まで知らなかったけど...