第23章 3時のおやつは愛をこめて
「さぁ!どうするレディ!」
カラ松がずいっとおそ松の腕に抱かれた鈴音ちゃんに詰め寄る。
「やー!不審者ー!!!」
その場が凍りつく。
「ふ、ふし、不審者...?」
若干の狼狽えを見せつつ、カラ松の目がジワジワと潤み始める。
うん、気持ちは察する察するよカラ松。
だからもう黙っとけ、最悪ハンバーグは僕が食べてやるよ!
「不審者怖いよー!ううっ」
「あーっ!もう泣いちゃったじゃん!クソ松、どうしてくれんの?よしよし怖かったねー?ほーら白うさぎがいるから大丈夫だよー」
これ以上やめてあげて!カラ松のメンタルゲージは0だよ!
しかし、そんなことはお構い無しで、おそ松が高い高いしながら、ニカリと笑う。
「うっ、ううっ、白うさぎのおにーちゃん...」
目に涙をためながら、おそ松の顔にぎゅーっとしがみつく鈴音ちゃん。
なにこの天国と地獄を両方一変に見てる図。
いたたまれないだけど、この微妙なもやもやを何処で消化すればいいの?
そんな空間で、猫目になってなにかをずっと考えてる十四松。
ピコんと頭のアンテナが動く。
「鈴音ちゃん、何か食べたい物あるっすか?」
「ふぅ?食べたい物??」
馬鹿だけど馬鹿じゃなかったー!
なに1番素晴らしい答えに行き着いちゃったの!?
「えと、オムライス...」
「そっかぁ!オムライスが食べたいんだ!僕もオムライス好きだよ!」
「本当?」
「本当だよ!」
その言葉に、おそ松を壁にしてじっと十四松を見つめる鈴音ちゃん。
「...お揃い?」
「お揃いマッスルマッスル!」
ニコぉっとおっきい口で笑って、目線を合わせて喋る十四松とかある意味気持ち悪いんだけど。
「よし!じゃあ僕らの母さんに、一緒に頼みに行こう?」
十四松が、そっと大きい手を鈴音ちゃんの目の前に持っていく。
ニコッと笑う十四松に鈴音ちゃんが、うんって小さく言って手をとった。