第23章 3時のおやつは愛をこめて
「あ、あとねぇ、あそこにいる人はカラ松って言って僕のお兄ちゃんだから、怖くないよ?」
「本当に?」
しかも、カラ松のフォローまで入れて?!
なにお前!そんなできる松だったの?!聞いてない!聞いてないよ!
「う、うう...じゅうしまーぁつ、なんてエクセレンツな回答なんだぁ!いつもはアレなのに、今日はなんだか神々しいぜ」
「お兄ちゃんたまに十四松が天才に見えるわー」
いや、お前ら十四松のことなんだと思ってんの?
僕もびっくりしたけどさ。
おそ松の腕からおりて、そっと手を繋ぐ2人。
なにこの微笑ましい光景。成長した子どもみてる気分になるわ。
なんて思ってるのもつかの間
「あのねぇ、猫は臆病だからいきなり手を近づけじゃ駄目なんだって、来てくれるまで待つんだって一松兄さんが言ってた」
ふーん、なるほどね。
...って、それ猫の扱い方法じゃねーか!!
いや、うん、間違ってはいない、間違ってはいないけど!色んな意味で間違ってる!
「お兄ちゃん、お名前は...?」
泣いてちょっと目が赤くなってしまった鈴音ちゃんの前にしゃがみこむ十四松。
「僕?僕はね、十四松だよ?君のお名前は?」
「鈴音」
「そっかぁ、鈴音ちゃんっていうのか!じゃあすずちゃんだね?」
ニコニコ笑う十四松につられて、泣いていた鈴音ちゃんはすっかり笑顔だ。
「じゃあ、お兄ちゃんはじゅっしーお兄ちゃん?」
「あはは!いいね!じゅっしーってなんかネッシーみたい!」
仲良く手をつなぐ2人、まるで兄と妹みたいな感じ。
まさか十四松に持ってかれるなんて、思ってもみなかった。
「じゃあ、僕とすずちゃんは母さんにオムライス作ってもらえるように行ってくる!」
「ちょーっと待った!」
扉を出ていこうとする2人を止めたのは、トド松だ。
「十四松兄さん、今さらなんだけど1つ気になることがあるから、ちょっとだけ待ってね?」
「あい?」