第23章 3時のおやつは愛をこめて
「ふっ!レディ!さぁ!俺があのロッキー山脈のような立派で肉汁の溢れ出るハンバーグを作ってあげよう!だから!俺の腕の中へカモン!」
ハンバーグ!?ハンバーグだと!!?
カラ松のハンバーグなら、何度か食したことがある。
つなぎなどは一切使われていない肉100%のあのハンバーグか!
目の前に置かれた瞬間に、食欲をそそるデミグラスソースの香りと、ハンバーグの焼かれる香ばしい香りが鼻腔を刺激する。じゅうじゅうと鉄板の上でなる音はまさに至福!
ナイフを入れた瞬間に溢れ出すキラキラ光る肉汁はまさに、イタい手から現れし奇跡の1品。
口に入れた瞬間、先ほど溢れたはずの肉汁が口の中にこれでもかというほど溢れ出し、口内を幸せへと導く。あのハンバーグを作るというのか!
「しかも、今回はスペシャルだ!レディ!チーズも入れようじゃないか!」
チーズだと...!?
あの肉汁溢れんばかりのハンバーグにチーズを入れるなんて!
ナイフをいれた瞬間に溢れ出す肉汁と、とろりと溶けたチーズが紡ぎ出すのは至高以外の何物でもない!
僕は知っている。こいつが本気で肉料理を作ったら、右に出る者はいないということを!
「「なにそれ、超食べたい」」
食いついた!だが、食いついたのは長男と末弟だ!
きっとこいつらの口の中は涎でいっぱいに違いない!
何故ならこいつらもまた知っているからだ。
カラ松の肉料理がヤバイほど美味しいということを!
だ、ダメだ!僕らに勝ち目なんかあるわけなかったんだ。例えこいつがどうしようもないイタいナルシストだったとしても、料理のウデで太刀打ちすることなんて出来るはずなかったんだ。
「さぁ!さぁさぁ!どうするレディ?俺ならお前の胃袋を満足させることができると思うぜ?バーン!」
いつものように頭に銃を突きつけるような格好をして、イタいことを言い放つカラ松。言動と行動は残念だが、それは今はどうでもいい事だ。
万事休すか!