第23章 3時のおやつは愛をこめて
「ふーん、鈴音ちゃんって言うの?可愛い名前だねー」
クソッ!鼻の下伸ばしまくりやがって!
太陽浴びて死ね!クソ長男が!
「あっ!ダメだよ!内緒だよ!しーだよ!」
「あっとぉ、ごめんごめん!しーっな?」
いらない!
ほんとーにいらないから!こんなおそ松だけ幸せなほのぼのとかいらないから!
さっきまで僕の腕の中にいたのに、なんて項垂れてたらくーっと小さな音がした。
「お腹減った...」
顔をしょんぼりとさせながら、鈴音ちゃんがそう言った瞬間だった。
いつの間にか居なくなった一松以外全員の目が鋭くなる。
「そっかぁ、お腹空いたの?甘い物は好き?マカロンあるよー?」
指をパチンと鳴らして、ピンク色の可愛いマカロンを空中に浮かべるのはトド松だ。
先手をうつか、さすがトド松。
だが、甘いな末弟!お菓子だけに!
「ん、甘いのは好きだけど、お菓子はご飯食べた後じゃなきゃダメだよ」
ほらね?なんやかんやしてて時間的にすでにお昼!
お昼ではお菓子などの甘い物では、お腹を膨らますことはできない!ましてや子どもになっても相手は鈴音ちゃんだ!そのへんはきっちりしている!
「そ、そっかぁ、そうだよねぇ?後で一緒に食べようね?」
「うん!」
後に約束を取り付けただと...!?
やはり抜け目ないな、さすが人心掌握術にたけてるだけある。
だが、お昼ご飯というフィールドにおいてお前は除外された!
「俺もお腹空いたー!」
クソッ!クソ長男め!すでに白うさぎという役柄を得ているために余裕をかましやがって!発言を察するあたりつまりは僕らなど眼中にないということか...
だが、これは好都合だ。
同じフィールドに立っているのは、カラ松と十四松か!
えー!俺コイツらと争うとか絶対無理ー!
「フッ!ランチか!ならここは俺の出番だな!」
しまった!先手をうたれたか!奴は危険だ!痛いからではない!
何故なら、料理のできる男だからだ!
痛くても馬鹿でも、こいつの料理の腕は確かだ!
しかもカラ松の肉料理はガチで美味い!