第2章 夜に舞うのはコウモリ達
「いいね、いいねー!生きがいいね!お兄ちゃんそっちのが好きよー!」
赤い奴は、にかっと笑ったかとおもうとふっと姿を消した。
次の瞬間、ばっと目の前に現れ鋭い目が私を捕らえた。
「はい、動かないでねー」
トンッと私の首輪に人差し指をおく。
それと同時に、ごとんっと音をたてて首輪は畳みに落ちる。
「俺の名前は松野おそ松、松野一族の長男ってことでよろしく!」
鼻を擦るのは、彼の癖だろうか?
とりあえず首輪のお礼はいっとこう。
着けたのはこいつらだけどね。
「外してくれてありがとう、家に帰りたいからとりあえず出口教えてくんない?」
すくっと立ち上がると、ふっと横に姿を表す青。
「逃がさないぜ、カラ松girl」
その決め顔はなんなのか、夜なのにサングラスの意味とは一体なんなのか?
考えるのはよそう。
「なんだ、もう復活したのか?ちっ....
イタいスパンコールそこをどけ!今度はメンタルミンチにすんぞ.... 」
にこにこと微笑みながら、そういい放てばカラ松とやらは泣きはじめた。
よっしゃ、勝った。
「.... いいね、気に入ったよ」
ばっと上を見上げれば、宙に浮くジト目の紫。
にやぁっと笑う顔が、不思議の国のアリスの猫にそっくりだ。
いや、よく言い過ぎか?
「いや、気に入られたくないんで、ともかくそこどいてくれます?蝿叩きで叩き落としますよ」
にこにこといい放つ、よし勝ったと思ったのは大きな間違え。
「いいね.... ゾクゾクする、もっと蔑んでいいですよ」
しまった....
ドMだったか、こいつは判断ミスったな。