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【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第2章 夜に舞うのはコウモリ達



「って思ってたらこれかーい!」

案の定夢から目を覚ましてみれば、暗い御屋敷みたいなとこの大きな大広間で私は首に首輪をつけられたまま放置されていた。

「殿のおなぁーりーー」

と、どっからともなく声が聞こえる。
この声、さっきのマントの内側が黄色い奴だ。

その瞬間、ぼっぼっと次々と蝋燭の灯りが灯っていき正面を照す。

目の前にいたのは、マントの内側が赤い奴でにやぁっとこっちをみていた。

その左右にいるのが、青と緑で此方を見つめている。

「あの.... 」

私がばっと手をあげると、視界にはいっていた三人が此方をじいいっと見つめる。

「これは、立派な犯罪です。迷惑なのでやめていただけませんか?」

その一言にポカーン静まり返る大広間。

「あぁ、後さその格好なのに殿ってなに? ついでにここ和式じゃん、普通さ洋風でしょ?よ・う・ふ・う・!」

大広間は大広間ではあるが、ここは紛れもなく畳みの敷き詰められた和風の御屋敷。


「雰囲気は大事だよ?雰囲気はさ?でもさこれさ、雰囲気もなにもあったもんじゃなくない?
洋服つかタキシード着てマントつけてさ、そこまでの掴みは悪くないよ?
 でもさ、家が和風ってどうなのそこ?乙女の夢台無しじゃない?
夢なら覚めて、ついでに脳の安息時間を返して」
 
真顔でいい放てば、沈黙の中で、青いマントの男が喋り出す。

「この状況をわかってないみたいだな、マイエンジェル」

「知るか、これ(首輪)を早くとれ....
さもなくばお前のマントの内側のイタくて青いスパンコール全部剥ぎ取るぞ....
ついでにイタイ発言はやめろ、肋折れたら慰謝料請求するぞ、こら 」

首輪をつけられるなんて、たまったもんじゃない。

私は家畜ではないし、そもそもこんなことされる覚えなんてさらさらないんだから。

涙目になっている青い奴を無視して、目の前の赤い奴を睨み付けた。
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