第23章 3時のおやつは愛をこめて
「間違いなく鈴音ちゃんだよ!!」
おっきい口をぱっかんとあけて叫ぶ十四松。
あっ、どうして僕らが幼児化した鈴音ちゃんを見分けられたかって?
まぁ、ぶっちゃけた話。
「この匂いは鈴音ちゃんに間違えないよ!」
うん、はっきり言っちゃって十四松。
まぁ、僕ら人より数倍鼻がいいからわかるわけで、自分たちで言うのも嫌なんだけど、犬みたいなもんだよね。
「わっかんないよー?匂いなんていくらでも変えれるんだから!」
「ハロウィンパーティーでそれを使って、オレらをだまくらかして遊んでたトッティがいったら、説得力あるね」
にたぁっと笑いながらそういう一松。
まぁ、一理あるかなんて思ってたらしゃしゃり出てくる次男。
「ふっ、ここは俺の出番だ!いざ!」
ずいっと僕の腕の中にいる、可愛い可愛い可愛い鈴音ちゃん幼児化サイズまじキュートに近寄る。
「Good morning!キュートなレディ!俺の名前は松野 カラ松!華麗のカ!ラグジュアリーのラ!松竹梅の松!でカラ松だ!レディのお名前は?」
相変わらずのいったい発言は、朝だろうが昼だろうが夜だろうが、365日プラスうるう年までもおかまいなし。全員が沈黙する中で、たった一言だけ鈴音ちゃんが答える。
「怪しい人に名前を教えちゃダメだよって言われた」
小さな鈴音ちゃんの、完璧すぎる模範解答にカラ松以外の全員が爆笑。
一松だけは、顔背けて必死に耐えてるみたいだけど。
そして、カラ松はうっすら目に涙を浮かべる。
「な、何故だ、俺が、俺が怪しい?こんなにも広い心を持っているというのに!なぜだァァァ!!」
「いや、答えは明白でしょ」
しれっと毒づくは、ドライモンスター。
お前何気に人の心ズタボロにするよな。
「なるほど!俺がカッコよすぎるからか!」
どこをどう考えたらそうなるのか、ぜひ教えて欲しい。
「...死ね」
ぼとりと一言を落とす一松、いつも通りでしかない。
この流れ