第23章 3時のおやつは愛をこめて
はーん!可愛い!なにこれ!なにこの生き物!
「ププッ、おじちゃんだって、やっぱチョロ松兄さんは老けて見えるんだね」
「黙ってろ!トド松!」
なんだって朝からディスられてんの僕!
朝っぱらから不愉快極まりない。
ふと思ったけど、これヴァンパイアの話だよね。
どうして、毎回毎回朝ごはんちょいちょいでてくるんだろう?
なんて身も蓋もないことを考えてたら、悲しそうな顔した女の子がこちらを見つめる。
「ケンカはダメだよ?」
ズキューン!
あっ、どうしよう僕、今ハートを撃ち抜かれた。
なにこれ、ほんっとーにもー!
「可愛いねー?ほらお兄ちゃんのとこおいで、おいで」
ニカッと笑って、手招きするクソ長男。
ひっこんでろ!お前はお呼びじゃねぇ!
「ふっ、キュートなレディ!さぁ!俺の胸の中へカモン!」
朝から痛さ全開の次男。
お前はなんで生まれてきたカラ松!
「はいはいはいははいはーい!いいすか!?いいすか!?僕十四松!あれだよ!80メートルはかたいよ!」
なんの話をしてるんだ、十四松。
完全に鈴音ちゃん固まってるんだけど
「もう!みんなして!そんなにグイグイ来られたら鈴音ちゃん困ってるじゃん!」
よく言った、トド松!
と思ったのもつかの間
「怖かったね?ほら、お兄ちゃんのとこおいで?」
結局お前もかドライモンスターめ!
どいつもこいつも、本当に...
「えと、えと、どうしたらいいか、わかんない」
うん、ごめん
わかるわ、これはわかるわ!
可愛い!もう超絶可愛い!!
「ほらおいで、チョロシコスキーに抱かれてたらシコスキーになっちゃうぞー」
「シコスキーってなんだ!てゆうか、何も知らない純粋なこの前でなんつーこと言ってんだ馬鹿!」
そんなツッコミを入れたところで、トド松が一言。
「ねぇ、ところでさ、それ本当に鈴音ちゃんなの?」
なんの疑いもなく、始まった話だけどこんなに変わってたら無理もない。