第5章 スパンコールは優しさの煌めき
「ふっ.... 少し妬けるな.... 」
心の底のどす黒い感情をフルムーンの光の裏に隠そうじゃないか....
レディ争奪戦は始まったばかりなのだから....
「ごめん、あのさ.... 」
「なんだい?レディ?」
遠慮がちに手をあげるレディ
なんだ?デジャビューってやつか?
「マント、被せてくれたのはいいんだけどさ、スパンコールが素肌に擦れて超絶痛いんだけど」
その痛みさえ俺の愛.... さ....
「今ぜっったい、頭のなかでイッタい台詞を考えたでしょ?」
まぁたしかに《痛い》という単語は使ったな....
「助けて貰ったから我慢してたけど、さすがに突っ込みどころがありすぎて辛いわ!」
「レディ、せっかくのフルムーンじゃないか.... 俺と共にこのビューティフルなムーンをエンジョイしようじゃないか!」
そう言うと、下をむくレディ....
ふふっ
照れているのかな?
「.... おっ前さ.... マジいい加減にしねぇとメンタルミンチにすんぞ?」
....えっ....?
「人が心配してるのに、訳わかんねーイッてー台詞を吐いてんじゃねぇイタ松!さっさとチョロ松のとこにいかねぇか!ああっ!!?!」
あ、あわ、あわわ....
「それともなにか?私をおちょくって楽しんでたのかコラ?いい趣味してんじゃねぇか.... ヴァンパイア様よお.....?」
顔は笑ってる
顔は!
でも目は笑ってない、強い光だ!
ものすごおい強い光を放っている!
「い、い、いいえ!滅相もありません!」
「んじゃさっさと立てよ?ミンチにすんぞ?」