第5章 スパンコールは優しさの煌めき
黙ったまま首を横にふる姿があまりにも可愛いすぎる。
「レディ.... 」
長く美しい漆黒の髪の毛に指を絡めながら俺はレディを呼ぶ....
フルムーンの光が髪に反射して天使の輪を作る
美しい....
ただただその一言に尽きる
激痛が走ったがゆっくりと起き上がり、自分のマントのフィブラを外す....
バサッと埃をはらった後にレディにそっと被せた。
「このままでは風邪をひいてしまう.... 」
そっと頭を撫で、指先で髪を一束すくいとる。
「愛しきレディ、怪我がなくてよかった」
漆黒の艶やかな髪にキスを一つ落とす。
甘く香しい薫りが俺の鼻腔をくすぐる。
しかし....
それと同時に、柔軟剤と消毒の香りが俺の眉をしかめさせる。
「レディ、チョロ松の匂いがする」
するっと長い髪を夜の冷たい風に預ける。
ふわりと靡くレディーの長い髪
驚いたような顔で俺を見るレディ
「ふっ.... わかるさ.... ヴァンパイアは鼻がいいんだ」
だからチョロ松がレディに触れたことなどすぐにわかる。
微かな血の匂いさえも....