第21章 ハロウィンの夜は危険がいっぱい?
うわちゃー、やっちゃいけない事やっちゃったね。
ニッコリ微笑みながら思っていた。
これ絶対に俺が後で松代に怒られんじゃん!貴方は長男なんだからとか絶対にそんなこといいだすよ?
超理不尽!
やってらんないー!
これだから長男って何かと面倒なんだよね。
剣をおさめながら、ポツリと呟く。
「一松、やめとけ」
東郷の真後ろでナイフを首元に突き立てている黒い影が、不服そうな表情を浮かべる。しかもあのナイフ、確実に毒仕込んでるよ?
「...ねぇ、怒ってるんだけど」
「周り見てみろ、それみんな一緒」
暗闇に浮かぶ色とりどりの危険な光。
そのどれもがギラギラと殺気立ち、今にも攻撃を仕掛けてきそうだ。
「こんなとこで、十四松なんて暴れてみろ?あれだよ?会場吹っ飛ぶよ?爆発して、とんだ花火パーティーだよ?全員アフロ祭りだよ?」
「あっはは、僕のこと呼んだー?おそ松にーさん!」
手をパタパタふりながら、ものすごい無邪気に笑ってるけど、むしろその笑顔が怖い。
十四松はちょっとした爆弾魔だからな。
もうお兄ちゃん怖い怖い、怖くて震えちゃう。
「それは俺も賛成だな?ブラザー、結界をはる手間がかかるからな」
青く冷たい光を目に宿しながら、ふっと俺の横に現れるのはカラ松だ。
「そーんなこといっても、お前剣構えてんじゃん、コワーイ」
「...なんのことだ?」
痛さが皆無じゃん、ガチで怒ってるよ?
カラ松は剣の名手だかんな、ヤバいよほんとーに!
まっ!俺と交えたらわかんないけどね。
「もー、やーめようよ!折角のパーティーなんだから...ね?」
小首を傾げて可愛く笑うある種、1番恐ろしい能力を持っている末弟トド松。
「そんなこといいながら、トド松、お前の横で2人ほど頭抑えて転げ回ってるんだけど」
若干引き気味のチョロ松が、俺のアシストをする。
流石ツッコミのチョロ松!わかってるねぇ!
「えー?なんのことぉ?あっ、ホントだ!あは!下手くそなブレイクダンスだね。ふふっ」
キラッキラッした瞳で笑うピンクの悪魔。
「お兄ちゃん、お前が1番怖い」
「だからいってんじゃん、本当にキレた時1番ヤバイのはトド松」
一松、わかったからナイフをおろそう?