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【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第21章 ハロウィンの夜は危険がいっぱい?



静まりかえっている中で、キンっと小さな金属音が鳴る。

「やれやれ、嫡男が出てきてしまうとはとんだ誤算というもの」

そっと剣をしまう東郷を僕は見据えた。

「おや?チョロ松殿?ケガをされたのか?全く人間を庇うなど、力だけでなく中身も異端と成り果てたのですかな?」

ニヤリと笑う東郷、僕は鈴音ちゃんを強く抱きしめた。

「チョロ松くん」

不安そうに揺れる瞳、大丈夫、僕はもう大丈夫だから。

「僕は異端と言われてもかまわない、だけど彼女を馬鹿にすることは許さない」

もう僕は昔の僕とは違う。今ここにある温もりが僕に教えてくれた。

異端と言われ続けてきた僕とは、守り続けられてた僕とは違う。

今度は僕が鈴音ちゃんを守るんだ。
自分の弱さに負けたりはしない、もう体の震えはおさまった。君がくれた優しさを僕の勇気に変える。

「僕はこの力に誇りを持っている。異端と呼ぶなら呼ぶといい、僕はもう屈指たりはしない!」

僕の声が会場全体に響き渡る。

僕の言葉に、周りがザワつく。僕を馬鹿にした奴らだ。一人一人の顔なんて覚えていない、でも言葉は覚えている。胸を抉るような言葉の数々を忘れたりはしない。

「ヒュー!チョロちゃんカッくいー!お兄ちゃん感動したわ!」

ニカッと笑うおそ松に対し、怪訝な顔をする東郷

「先ほどまで、あんなに怯えていたではありませんか?おそ松殿が出てきて強気になったのですかな?とんだ臆病者だ」

キッと東郷を睨みつけば、僕の瞳の色が徐々に変わる。

「その瞳の色、目障りですなぁ。貴方のその腕の中にある強き光のせいですかな?人間に惑わされるなど、ここの一族は揃いも揃って馬鹿ばか...チッ」

いつの間に現れたのか、東郷の真後ろに黒い影が見えた。

「東郷さん、今日は本当に帰った方がいいと思いますよ僕?」

そう言って東郷の目の前でニッコリと笑うおそ松、あたりを見回せば全部で5色の妖しい光が2つづつ闇に浮かんでいた。
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