第21章 ハロウィンの夜は危険がいっぱい?
「だとしたら、一松兄さんの一番好きなものは鈴音ちゃんってことになるね!」
十四松の発言に、固まった。
...そう考えたら、さっきまでの発言って鈴音が一番好きって言ってるようなもんじゃん。
「ば!ちがっ!そんなことない....別に....鈴音のこと....なんて....」
そうは言ってみたものの、もはや取り返しがつかない。後の祭りってやつ?
心的に
『鈴音の匂い』
この台詞にエコーがかかって頭に響く。しかもオレ、これ2回も言ったよね....
あぁぁあ!!穴!いやゴミ箱、ゴミ箱ないかな!?死にたいんだけど!
ロープない?あっゴミにロープなんて高価なものやれるかって?
....ですよね、オレにそんな価値なんてありませんよ。コー●ンとかで売ってるロープ使うとかおこがましい、難破した船のボロくてくっさい腐ったロープがお似合いですよ。息しててすみませんね。
「....なぁトド松、今すぐ銃と弾用意して、ちゃんと死ねるように純銀のやつね」
「ちょっと大袈裟じゃない!?やめてよね!それで用意したら、僕が悪者になっちゃうじゃん」
ぷくっと頬を膨らましていうあたりが、あざとい
そんな中で、満面の笑みを浮かべて助け船を出してくれたのは他でもない
「僕はやきうが好きだけど、鈴音ちゃんも好きだから一松兄さんとお揃いだね!」
ことの発端の十四松だ。
....ヤバイ
天使と悪魔が混ざったようにみえるわ。
なにこの落としてからの上げ?なにテクなの?本当
「ありがとう」
ぴょこっとどっから現れたのか、ちっちゃなカボチャつきの魔女の帽子を被ったエスパーニャンコがオレの心の声を十四松に暴露する。
「なんでなんでー?なんでありがとうなのー?僕思ったこといっただけだよー?」
なんて言ってる十四松の口の中に、ロリポップを放り込む。
ガジガジしながらうんまーと叫ぶ横で、色んな意味で、一生懸命赤くなってるであろう顔を冷やそうと頑張ったのは言うまでもない。