第21章 ハロウィンの夜は危険がいっぱい?
まぁ、僕が見立てただけはあるよね。
うんうんと頷きながら、遠くから鈴音ちゃんとアザゼルを見つめる。
はじめ聞いたときは、何を考えてるんだろうなんて思っちゃったけど。まさかこう来るとは僕も予想外だったな。
「鈴音ちゃん、ちょー綺麗!!男だけど!あっはは!」
パタパタと僕の後ろで暴れる十四松兄さん。
僕もそう思うよ。
あんなに綺麗になっちゃうなんて、驚きだよね!まっ!僕のセンスの賜物だけど、んっふふー。
「トッティ、お前鈴音に何したの?」
禁断の波から這い出てきた一松兄さんが、僕の肩を掴む。うわー、目が合ったらたぶん、殺される。こわーい。
「なーんにも?鈴音ちゃんが男装したいって言ったから手伝っただけだよ?」
小首を傾げてそういえば、チッと舌打ちをされる。
だって本当の事だし、僕はただそれを手伝っただけだもーん。
「ねぇねぇ?トッティ、なんで鈴音ちゃんからやきうの匂いしたの?」
あぁ、その事かと思ってピンク色の蓋がハート型になってる香水瓶を取り出す。
「あれ?やきうの匂いがするー」
「これはね、嗅いだ人が一番好きなものの匂いになる香水なんだ!僕が調合したやつ」
匂いって言うのはね、人の感覚に凄く影響するもんなんだ。僕ら人でないものなら、尚更効く種族も少なくない。
ほら、魅力的な人の条件の中にいい匂いの人って必ずあるでしょ?あれを利用するために僕が調合したのがこの香水だ。
「....流石トッティ、腹黒いアイテム作るね」
にやぁって笑う一松兄さん、やだなぁ腹が黒いなんて失礼しちゃうよ。
僕の心は天使の羽よりも、純白だよ?
人聞きの悪いこと言わないで欲しいな?
「だとしたら、一松兄さんの一番好きなものは鈴音ちゃんってことになるね!」
!?!!
あー、それ地雷地雷だよ十四松兄さん!
「ば!ちがっ!そんなことない....別に....鈴音のこと.... なんて.... 」
分かりやすくて困るんだけど、やりにくいわー。