第5章 スパンコールは優しさの煌めき
「....カラ松....?」
名前を呼ばれる。
答えてやりたいのに、答えられない。
「カラ松?カラ松?嘘、嘘はやめなよ.... 」
嘘.... か、なんにたいしての嘘なんだ?
痺れを切らしたのか、乱暴な言葉が聞こえる。
「おい!おいこら!寝たふりとかやめろよ!イタ松!返事!返事しろ!冗談じゃねーよ!」
よかった元気そうだ....
でもだからってイタ松は酷いんじゃないか?
本当、どいつもこいつも俺の扱いが酷すぎるぜ....
ポタッ
俺の頬に何かが落ちる
「や.... いや... いやだぁ.... カラ松.... いやだぁ.... 起きて....起きてよぉ....お願い.... ふぅっ.... 」
返事を、返事をしてやらないと....
動かない腕を懸命に伸ばす。
そっと頬に手をやって、涙を受け止める。
あんなに強い光を放っていた瞳が、弱々しく揺れている。
「レディ.... 」
ゆっくり言葉を紡げば....
「カラ松.... よか.... よかった.... 生きて、生きてる.... 」