第21章 ハロウィンの夜は危険がいっぱい?
「んっ....?んん?ここは?」
俺は、なにをなにをしてたんだ?
よいしょっと体を起こしてあたりを見れば、レッドカーペットがどこまでも続いている。
「ふっ、俺の為に敷き詰められたのか?それとも俺のせいでこうなってしまったのか?どちらにしても罪な男だぜ....」
どこまでも続くレッドカーペット。
血のカクテール、いやブラッドビューとでも言うのかな?
床に倒れ伏すガール達、その先を見ればビューティービフォーアフターしたビューティーなチョロ松とトド松がF6エクスカリバーとキュートアンボレラを用いて熱く激しく拳で語り合っている。
全く、パーティーだからってはしゃぎすぎなんじゃないのか?
....ふっ、困ったブラザー達だぜ。
さらに視線を向けてみれば、憂いを秘めた瞳をした一人のキュートなガールが一点を見つめている。
あれは、トド松のところのメイドのアザゼルではないか?
切なげな瞳で熱心にトド松だけを見つめているその姿が、あまりにも健気で泣けてくる。
あぁ、神よ。
貴方は残酷だ。
こんなにも健気なガールを悲しませるなんてな。
だが、だからといって俺がどうこうできるわけでもない。
さらに言うなら男女の関係に立ち入るというのも、野暮というものだ。
「想いが相手に伝わらないというのは、切ないな」
一瞬また心の目眩に襲われそうになる。
届きたいのに届かない想いというのは、人が考える以上に切なく辛いものだ。存在が近ければ近いほどな....
わかっていながら、何もしてやれないというのもまたしかりだが。
あのこの心を少しでも癒してくれる誰かが、いればいいのだが。
そんなことを願いながら様子をうかがっていると、アザゼルの前に九本の尻尾をはやした男が声をかけていた。
遠くからで見えないが、あのオーラというかなんというか。
いやそれよりもまず、俺の捜し人を見つけるのが先だ。
すんと空気を吸い込んでみるが、レッドカーペットの中にいるせいでどうも匂いがつかめない。
「困った、まぁ俺とレディはディスティニーで出会うと決められているんだ。だから大丈夫さ....」
頭に何故かできているコブを一撫でしながらそう言った。