第21章 ハロウィンの夜は危険がいっぱい?
ガチャリと扉が開き、高らかにラッパが鳴り響く。
「ヨワイ家、トト子姫様のおなーりー!」
おっ!トト子ちゃんじゃん!
もちろん長男である俺が直々に迎えにでないとね!
.......目当ての奴は見つかんないし
「トト子ちゃーん!来てくれんだ!俺すっげー嬉しい!」
白い肌にクリクリの目、キラリと光る牙に一つに高く結われた髪。
深紅のドレスに白いうなじがなんとも色っぽい、俺たちの幼馴染み件アイドル!
「おそ松くん、お招きありがとう」
声も可愛い!超可愛い!
どこまでも可愛いしかない!さすが俺達の幼馴染み!
「で?これどうなってるの?」
「あちゃあ、やっちゃったねぇ?馬鹿だねぇ」
せっかくトト子ちゃんが来てくれたってのに、床いちめん全部真っ赤。
良く言うなら、赤い薔薇を敷き詰めたみたい。もしくはレッドカーペット。
悪く言うなら、汚い鼻血。
いや汚い云々じゃなくて、鼻血。
「はーん?これはあれか?私への侮辱かなんか?ねぇ?ヘタレ馬鹿変態クズ●●●?」
さっきまで可愛い顔でニコニコしてたのに、今は何かがとりついたみたいにスゴい顔になってる。
悪魔みたい!超絶可愛い!
「ち、違うよトト子ちゃん!俺がトト子ちゃんにそんなことするわけないじゃん」
「それじゃあこれは何?」
赤いピンヒールで2回ほど床を叩けば、びちゃびちゃと音がする。
「えっと、俺にもよくわかんないっていうか、むしろ解りたいとも思わないというか。偶然の産物というか。」
「ふーん、それで?」
煮えきらない返事にますます黒い影が、どうしよう可愛い!もうすっごい可愛い!
「お前はこの家の嫡男だろ?確りと説明しろやゴラァァァアア!!」
完全にスイッチ入っちゃった!
ヤバーイ、おそ松くんヤバーイ。
かくなるうえは....
指パッチンする。
白い煙に包まれ、赤い髪を靡かせる。
本日二度目の登場!
爽やかジャスティス!松野 おそ松!ここに降臨!
「トト子ちゃん、今宵は俺がとびっきりの夜にしてあげる。さぁ、お手をどうぞ?」
右手をトト子ちゃんに差し出した。