第21章 ハロウィンの夜は危険がいっぱい?
「もう、皆静かにしないとイタズラしちゃうよ?」
トド松が人差し指を口でたてて、しーのポーズをとればたくさんの妖怪がレッドカーペットに沈んでいく。
「お前まで面倒ごと増やしてんじゃねー!」
運んでいたカラ松の片足を床にほり投げ、F6IKKをかまえ、ピンクのさらさらうるつや髪を狙う、がしかし....
「ふふっ、甘いよ?チョロ松にーさん」
語尾にハートマークがつきそうなくらいの甘い可愛らしい声とともに、どっから出したのかピンクの傘で僕の攻撃をさえぎる。
「くっ、さすがF6バージョン、一筋縄ではいかないか」
「もう!乱暴なことは僕嫌いなんだ?ねっ?だから一緒にお菓子でも食べよ?」
お願いと両手を組んでおねだりのポーズを決めた瞬間、悦びの悲鳴とともにまたも客がレッドカーペットに沈む。
かくなるうえは、僕も応戦するしかない。
「全く、どいつもこいつも....僕に面倒ごとおしつけやがってええぇ!!! 」
パチンと指を鳴らす。
白い煙が僕の体を包んだ。
懐に忍ばせた眼鏡を装着したあと、左手を大きく横に振り煙を凪ぎ払う。
すっと消え去る煙の中、目線が高くなる。
「トド松、悪ふざけが過ぎますよ?お仕置きです」
眼鏡を人差し指でくいっとあげながら、トド松を見据える。
ビューティージーニアス!松野 チョロ松!ここに構築!
「き、きゃぁぁあ!!!チョロ松様よ!」
「なんてクールなお姿なの!!異端と呼ばれているのに、そのお姿は罪だわ!!!」
「お仕置き!?むしろ私にお仕置きを!」
僕のF6バージョンに鼻血を吹き出す妖怪達。
ここは早めに決めないとまずい。
「あはっ!やっと僕のノリに付き合ってくれる気になったの?チョロ松にーさん?」
「全く、僕の手を煩わせるなんてトド松も困ったものですね。今日は遠慮はしませんよ?」
キューティーフェアリーとビューティージーニアスの戦いが今、幕をきっておろされる!
「トド松ううぅぅ!!」
「チョロ松にいさぁぁぁぁん!!」
そのあまりの攻防の美しさとおはだけにより、かろうじで残っていた妖怪が次々とレッドカーペットに沈むことになった。