第21章 ハロウィンの夜は危険がいっぱい?
すんっと空気を吸い込んで匂いを辿る。
甘い匂いだ。
あいつの....
鈴音の甘い甘い匂い
あたりを見渡すが広がるのはレッドカーペットと、俺の魅力にヤられたやつだけだ。
めんどくせぇな、レッドカーペットのせいで鈴音の甘い匂いがたどれない。
「おいっ、リヴァイアサンいるか?」
俺が呼ぶとサッと真横に現れる、短髪の女。
「随分めかしこんでるじゃねぇか?そんなめかしこんでどうした?」
青いマーメイドドレスに、サファイアのピアスが揺れている。首には俺のメイドの証である青い首輪
「カラ松様付きのメイドですから、これくらいしないと格好がつきません」
そういって膝まずくリヴァイアサン
「その首輪、別につけなくていいと言ってるだろ?全くお前らメイドは何処まで付き従うんだ?」
「いいえカラ松様、これはカラ松様への忠誠の証、私のすべてはカラ松様のモノ。さて御命令を.... 」
青く揺れる瞳、忠誠心があるのはいいんだがドが過ぎるから困ったもんだ。
「10秒だ、10秒でこれを片付けろ」
「かしこまりました」
バッと強い風が吹けば大理石の白い床が広がる。本当によく出来たメイドだ。
鈴音には劣るがな。
「終わりました」
「よし、もう下がっていい」
俺の一言で、サッと姿を消す。
また空気を吸い込み、鈴音の甘い香りを探す。
おかしい....
鈴音の匂いが何処にもない
「あのブス、本当にどこに隠れてやがる」
俺から逃げようなんていい度胸だな。
チッ、鈴音のことを考えると調子が狂っちまう。
俺様のペースを乱しやがって、絶対見つけ出して、血もお前も吸い尽くしてやる。
余すところなくな....