第21章 ハロウィンの夜は危険がいっぱい?
うおおおおおお!!!
パーティーだよ!パーリィだよおおぉ!!
タキシードをパタパタさせながら僕はあたりを見回す。
「すっっげーごちそーー!!」
お肉でしょ?魚でしょ?
お寿司にステーキにビーフステーキにビーフシチューにビーフストロガノフにビーフカレーに
ってビーフばっかじゃあん!
あっはは!
「これなら今日いっぱい笑ってくれるかな?」
僕はワクワクしながらそんなことを考えてた!
そうそう、今日の衣装はね僕ら全員お揃いなんだよ?
タキシードの内側が皆のトレードマークの色で、蜘蛛の巣が刺繍されててね?
それでそれで、襟に銀色のコウモリの飾りがついてんの!
僕の場合は黄色だね!
おっそろーい!おっそろーい!
「あっ!プリンだ!ひゃっふーい!」
カクテルグラスに入ったプリンをプルプルさせながら歩いてたら
「きゃーー!!!一松様ぁ!」
「抱いてぇぇぇぇ!!」
F6姿の一松兄さんが、ゾンビと狼娘とろくろ首と半魚人の女の子にもみくちゃにされてた。
両手に妖怪とはまさにこのことだね!
えっ?違う?
細かいことは気にすんな!長生きできないぞ!
「一松にーーさぁぁあーーん!」
ブンブンと手をふったら、白くて細くて繊細な指先の第二関節だけ動いて僕に手招きする。
それはもう、物凄い速さで!
「きゃーー!!!一松様が手招きしてくださってるわ!!」
「射ぬいて!そのたくましい●●●で!」
「好きなだけ血をすってえぇん!ぐっちょぐちょにしてえええぇ!!」
僕ははむはむプリンを食べる!
はっ!!
つるんとしたのど越し、舌を転がせば卵の優しい味が口のなかに広がって柔らかくとけだしたかと思ったら、ほんのり苦めのキャラメルソースがこんにちはして、そこから絡まるプリンとキャラメルのハーモニーがまるで素晴らしい協奏曲が如し味わいを奏で僕の、僕の口を優しく包んでいく....
あまりの美味しさに、僕は僕は!!
「スイィィーーーツパラダァーーイス!甘いものの地平線をどうぞ?」
一万人斬りの王子様!
スイートプリンス松野十四松、ここに見参!