第21章 ハロウィンの夜は危険がいっぱい?
「ねぇ?一松様ぁ!私と踊りましょ?」
....うざい
わざわざ端っこにいるのになんで見つけちゃうわけ?
フルートグラスに入ったドクペをちびちび飲みながら、なんでか絡まれるオレ
天井を見上げれば、キンキラしてるシャンデリアが眩しい。
クズには眩しい。クズでなくとも眩しい。
なんでハロウィンなのに内装こんなにきらびやかにしたの?
ハロウィンなめてるの?
まぁクズでどうしようもないゴミのオレがこんな場所にいること事態がすでに間違ってるんだけど....
「ねぇ?いいでしょ?一松様ぁ!」
「....帰って」
「ああん、そんな冷たいところも素敵」
いや、本気で思ってるよ?
オレかなり本気だからね?
暑苦しいタキシードに身を包まれてそれじゃなくても面倒なのに、見知らぬ女の見知らぬ誘いとか受けるわけない。
絶対にない。
ハッキリと断ってるはずなのに、女.... いや
まぁ女は女だけど腐ってる女ね
ゾンビねゾンビ、白い骨が若干見えててグロい。
顔?どーでもいい。
美人だろうとブスだろうと興味ない。
そもそもここにいるのだって、好きでいる訳じゃないし
あれだよ、兄弟皆についてきただけ。
なんの風習か知らないけど、そもそもハロウィンは収穫祭兼魑魅魍魎を追い出すために仮装するお祭りだからね。
むしろオレ達追い出される側だからね?
「一松様ぁ?私とじゃ嫌?」
「オレ死体を抱く趣味ない」
そもそも、ダンスとか嫌い。
くっつかなきゃいけないし、オレ紳士じゃないし
言うなればただのゴミだし
「あーん、辛辣ぅ!胸が鳴るわぁん!もう心臓止まっちゃってるけど!」
....疲れてきた
帰りたい
「ねーーえ?」
仕方ない、面倒だけど奥の手使うか。
指を鳴らして、はい変身
「すまない、オレのダンスの相手はもう運命で決まってるんだ。オレを....許してくれるか....?」
この姿疲れるけど、たぶん効果は....
「き、きゃぁぁああ!!!」
「一松様が!一松様が!本物の姿になっていらっしゃるうぅぅぅ!!」
「きゃーー!!!抱いてぇぇぇぇ!!」
....逆効果だった......