第2章 夜に舞うのはコウモリ達
紅い満月の夜
一匹、また一匹とアパートの前にコウモリが集まる。
全部で六匹のコウモリがドアの前に降り立つと、パッと姿を変えた。
「やっと見つけた」
黒いマントの内側が赤い一人は、そう言ってニヤリと笑った。
「あぁ、愛しい天使、早く会いたい.... 」
マントの内側が青い一人は、そう言った。
「兄さん、手荒なことはしちゃダメだよ」
マントの内側が緑色の一人は、そう言った。
「ねぇーもうマントネタ飽きちゃったから、僕かえっていいー?」
予想外のことを言い出す、黄色
「....てゆーかさ、こんな大人数いらないよね」
もっともなことを言い出す、紫色
「連れ去るならさ、少人数の方が目立たないよね?だからここはさ、兄さんたちにまかせるよー」
危ないことを言い出す、ピンク
なんだ、こいつら人の家の前でベラベラベラベラとうるさいったらない。
明日は早朝からバイトなんですよ。
安眠の邪魔しないで頂けますか?
そもそもなんで、私寝てるはずなのに外の景色が見えるんだろう?
ああ、そうか今夢をみているからだ。
きっと明晰夢ってやつだ。
あら?じゃあなんで夢を操れないんだろう?
カメ●メハとか、風の●ズとか、螺旋●とか、●改とかできるはずなのに....
まぁいいか、考えたって所詮は夢のなかだしどうでもいいや。