第20章 桜が舞えば想いは消える
まぁでも、そんな女でこんなことしてる僕だって充分汚いか....
笑っちゃうよね
「あぁっん、ト.ド...松...もぅ.... 欲しいのぉ」
汗で髪が額にピタリとくっついている、下品で卑猥な声と姿で僕にねだる姿を見下げる。
「へぇー?なに?何が欲しいの?僕わかんないなー」
そういって微笑めば、僕のモノを口から外して、着物をたくしあげぐちゃぐちゃの下半身を僕に見せてくる。
下品な誘い方、欲に溺れただらしない顔。
ほんとヘドがでる。
そんなことを考えながら、側にある教壇に座って足をくむ。
教会の中でヤってるとか本当に罰当たりだよね?
まっ!僕は神様なんて信じてないし、信仰もしない、そもそも神様サイドだからね?
架空上って意味でだけど....
「トド松.... お願い....ここ、トド松の肉棒でぐちゃぐちゃしてぇ....?」
....めんどくさ
なんて口にも顔にも出さないけど
「んー?じゃあこっちにおいで?」
にっこりと笑って、甘い甘い言葉を吐く。
ほんとヘドがでそう
「あぁん....トド松....」
そろそろ飽きてきちゃったなぁ....
「ねぇ?僕をみて?」
そういって瞳に力をこめる。
女の瞳から光が消えて、ぼんやりと佇んだ。
そっと抱き寄せて、邪魔な髪を後ろへ払いのけて首を露出させる。
唇を近づけて数秒後、ザクリと白い首筋に牙を突き立てる。
じわりじわりと口のなかに広がる鉄の味、僕らヴァンパイアの生きる源
....不味いな
飲めたもんじゃないくらい不味いなんて思いながら、それでもせっかくだしと貪る。
「もういいよ」
一言そう言えば、すっと女は僕から数歩下がる。
「帰りなよ」
「はい」
僕の言うことを素直に聞いて、女は教会のドアまで歩いて闇に消えた。