第20章 桜が舞えば想いは消える
「....じゃあ、僕を許して?」
ピンク色のスマホに向かってしゃべりかける。
本当はずっと仲直りしたかった、僕だって好きであんなこといったんじゃない。
いくつか作戦を考えに考えて、自分の力を使おうとも考えたけど、それじゃ違うやって思ってやめた。
だから、スマホ作戦をして仲直りしようと思ったら....
まさかのベルフェゴールに鉢合わせ
ないわーなんて思ってたらつっかかってくるし
しかもこいつ、最近鈴音ちゃんに馴れ馴れしいし
こいつのせいで、僕の作戦がどれだけ邪魔されたか
いつもいつも鈴音ちゃんにベッタリしやがって....
なんて思ってたら、鈴音ちゃんが気を使ってくれて
それで嬉しいなんて思ったら、目の前で頭撫でられてベルフェゴールは幸せそうにしてさ
僕だって、本当は....
鈴音ちゃんと仲直りしたいのに
鈴音ちゃんには言えないけど、僕こっそり録音聞いて謝り方練習してた。
じっと鏡を見ながら鈴音ちゃんの様子をうかがう。
一瞬ビックリしたような顔が、徐々に呆れたような顔に変わっていく。
「....謝り方不器用すぎでしょ」
なんて困った顔で笑う。
「僕別に、謝ってないし、スマホがしゃべったから答えただけ」
ふいっとあさっての方向を向けば、ふうっとため息が聞こえてくる。
「いや、私のが悪かったよ。ごめんなさいトド松くん」
ふわりと笑って謝られた。
ずるいよね、そんなふうに笑うとか....