第20章 桜が舞えば想いは消える
なおもバチバチとなる火花。
....仕方ない
「ベルフェゴール、今日は大丈夫だから、下がってくれる?」
私の一言に耳をピクンとして、尻尾をさげるベルフェゴール
「や、やです!鈴音御姉様のお世話をするのがうちの役目ですもん!」
駄々をこねはじめるだと!?
しまった、予想してなかった。
「うち、今日の鈴音御姉様の為に色々用意したんですよ!」
両手に抱えた色とりどりのドレスや、髪飾り
....なんでセーラー服とか、猫耳とか、ナース服とかが混じってんだ?
しかし、涙目で言われると弱い。
んーっと考えて、そっとベルフェゴールの頭を撫でる。
ふあふあの耳が柔らかい。
「わかったよベル?でもお願いきいて?そのかわり今度は絶対にベルにしてもらうからね?」
にっこり笑ってそう言えば、わかりました。とうなずくベルフェゴール
「んっ、いいこ」
よしよしと頭を撫でれば、嬉しそうに尻尾をゆらゆらさせる。
「鈴音お姉しゃまが、ベルを、ベルを....なでなでしてくだしゃってるぅ!!」
たらりと鼻血をだして、嬉しそうにする。
色んな意味で危ない
そして何故にベルは、こんなにも私を慕ってくれているのか謎である。
「つぎは!つぎは!ベルにお世話させて下さいね!!」
ぶんぶんと手を降って、去っていく後ろ姿を見送る。
パタンとドアが閉まれば、トド松くんと二人きりの密室のできあがり。
「で、なにしに来たの?」
この間のケンカいらい二人とも口を聞いていなかったこともあり、こうして二人きりの密室をつくってはみたものの
気まずい、気まずすぎる。