• テキストサイズ

【おそ松さん】月下に咲くは六色の花

第20章 桜が舞えば想いは消える



そんな怪しい手つきでベルフェゴールが、私の髪に触れようとした瞬間


「ストップ」

ベルフェゴールを止める声が一つ。
二人して振り返ったら、ニコニコ笑うトド松くんがベルフェゴールの真後ろに立っていた。

毎回の事なんだけど、なんだってみんな足跡一つ立てずに人の部屋に入ってくるのかな?

いや住まわせてもらってる分際で言えないんですけどね。

一応私だって女の子なんですけど?

「なにか?トド松様?」

どうやら私の髪を触ろうとした瞬間に、止められたのがよっぽど気にくわなかったんだろう。

さっきの変態顔は何処へやら、作り笑顔を張りつけてトド松くんに笑うベルフェゴール

「あれあれ?ベルフェゴール、ずいぶんと偉そうになったね?あれで懲りたんじゃなかったの?」

こちらも負けじと冷たい笑顔を張りつけて笑うトド松くん。

「あのあとから、うちは改心したんです。今はもう鈴音御姉様をお慕いしております」

「へー、鈴音ちゃんのこと殺そうとしたくせに、今さら改心とか笑っちゃうね」

バチバチと飛び散る火花、立場的にその真ん中に置かれている私

いやもう、喧嘩とか頼むからよそでやってくんないかな?

ふふふ、と二人の笑いあう顔が表現しきれないくらい怖い。

怖いったら怖い。

あえて表現するなら、好きな男の子をとりあって、机の上では微笑みあっているが、机の下では足を蹴りあっているみたいな

我ながら的確な表現だと思う。

そしてそれを目の当たりにした男子の複雑な気持ち

それが今の私である。

こんな表現がでてしまう時点でおかしいんだけど....

そもそもトド松くんって男の子だよね?
そんなとこまで女子力高くなくていいから!

女の子のどろどろした部分を、的確に表現しなくていいから!
/ 682ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp