第19章 金木犀の香りはデートの予感?
「別に、金木犀の香り嫌いじゃないよ?むしろ好きだし....」
「あっ?そう?残念だったねーかげなくて」
煙草の煙をくぐらせながら、ニヤリと笑うその顔は憎らしくて....
でもその眼は、優しくて....
「でも、今日はセッターの香りのがかぎたいかな.... 」
ふふって笑ってそういえば、いきなり頭をわしわしと撫でられた。
本当に乱暴な撫でかただ。
それと同時に、目を少し細めてすごい優しい顔をする。
ヤな奴だよ、本当に
ヤな奴....
「あっそーだ、これおそ松くんからスペシャルプレゼント」
なにかしらを思い出したように渡される小瓶。中にラムネみたいなのがたくさん入ってる。
「なにこれ?」
「媚薬」
ホルスターに入っている銃を抜いて、カチリとまわす。馬鹿だわ、やっぱりこいつ馬鹿だわ。
「やだー、物騒なもん持ってるねー?こわーい」
ぱっと両手をあげて、おちゃらけてくる馬鹿松。本当に何回セクハラ発言をすれば、この馬鹿は学習するのか教えてほしい。
「変身薬」
にかって笑いながらそう言われた。
変身薬?って何のための?
「ハロウィンパーティー、出るんだろ?そのままじゃ一発で人間ってばれて色んな意味で食べられちゃうよ?いーの?」
私はその変身薬をありがたくちょうだいする。さすがに食われるのは勘弁願いたい。
「思ったもんなんにでも変身できるからな?なんだったらサキュバスとかでもいいから」
なぜサキュバスをチョイスしたのかはわかんないけど、何にでも変身できるらしい。
「いやーサキュバスは露出がはげしーか....」
「ハロウィン前に殺して吊るしてハロウィンパーティーのオブジェにしたっていいんだよ?」