第19章 金木犀の香りはデートの予感?
鈴音をすとんと地面におろす。
ほんっとーに素直じゃないよな?
耳赤くしてんのなんて、普通にわかんのにさ?
悪態ついてる時は、何かしらを隠すためだという癖を、どうやら自分ではわかってないらしい。
あっ、カラ松についてはそういうんじゃないみたいよ?
あれは雑に扱ってる感じ?
自分で自分がわかんないとか、なかなかに面白いよなー
言ったら殺されそうだから言わないけどな!
それにそうゆうツボをわかった上で放置して楽しんじゃう
俺のわるーい癖
「ねぇ?なにニヤニヤしてんの?ものすごく気持ち悪いよ?」
「んー?さーな?」
微妙な感じの目で見られながら、心にそっとしまう。
まっ、俺が親切に教えてやる時は一生こないな!にしし!
「でさ?どこ行くの?」
その一言にピタリと止まる。
しまった、忘れてたわ
「もしかして、なーんにも考えてないとか?実は思い付き発言でしたとか、そんな馬鹿のやりそうな馬鹿みたいなやつじゃないよね?」
す、鋭いな
つーか、わかってて言ってんの?
人を馬鹿みたいに馬鹿にして!
お兄ちゃん泣いちゃうよ?
「まっ、いーやならさ行きたいとこあるんだけど、そこいってもいい?」
どうやら、無言の肯定と受け取られたようだ。
うん、間違ってないよ?
むしろ大正解大正解!
「んー、しゃーないなーお兄ちゃん優しいから付き合ってやる」
「どうも」
そっけねー返事だよな?
本当さ、こいつ素直じゃないよな?
普通そう思うだろ?
でもな、違うんだよ
喜んでんの頑張って隠そうとしてんの、だから髪の毛触るふりして耳触るわけね。