第19章 金木犀の香りはデートの予感?
ったく!あのど変態が....
銃をホルスターにしまう。
置いてこうか、一応日本って銃器持ってたら犯罪だもんななんて思ってたのに
もうね、身の危険しか感じないんだけど
つかみ所がないおそ松
本当になに考えてんのか、わかんないんだけど
はぁっとため息を一つはきながら、再び着替えを再開。
赤いスカートに白いニット
黒いジャケットとブーツをはいて、完璧。
鏡の前でくるりと一周して驚いた。
なにこれ、この服....
怖いんだけど!
なんでこんなに私の好みわかってんの?
あまりにもしっくりくる服装に不気味さを覚える。
気持ち悪....
まぁ、嬉しくないこともあることもないけども
あいつ考えてないようで考えてんのか?
うなぎみたいなやつだ。
ぬるぬる滑ってつかめないって意味ね。
もっと綺麗なたとえ?
いや無理だわ、やっぱりなんか腹立つ
「まっ、いーや早くいこ」
パチリとおそ松がくれたバレッタをつけて、左足をカンカンと2回打ち付ける。
パッと広がる秋空
が、何故か今日は少しバレッタの調子が悪いのか視界がおかしい
「何々?大胆だねー?お兄ちゃんうっれしいー」
目の前におそ松の顔
どうやらおそ松の腕のなかに移動してしまったらしい
「あんた、はかったでしょ?」
「なんのことかおそ松くんわかんないなー」
さっきまで煙草吸ってたの匂いでわかる。
私が出てくるまでにそんなに時間はかかってないし
慌てて消した様子もないとみると、やっぱりはかってやりやがったと容易にわかる。