第19章 金木犀の香りはデートの予感?
「鈴音!着替えたかー?」
ノックもせずに入ったら、おもいっきり鉛弾撃たれた。
「殺すぞ、ボケ」
これまた殺意むき出しの笑顔が怖い怖い
もう一回みてんだからそんな気にするもん?
あの時の血うまかったな....
んでもって、半裸....
今でもいいおかず....
おそ松くん、あれでもう何回抜いたかわかんな....
パンっと銃声の音が響く。
「さっさと出てけ、馬鹿」
弾が真横をすり抜けて、壁穴空いたよ?
しかも狙ってわざと命中させてんだから、怖いよねー
祭りの時も思ったけど、さすがというかなんというか....
ん?平気なのかって?
あー?
平気平気、俺を誰だと思ってんの?
ビックなカリスマレジェンド松野おそ松だぜ?
にっしし!
弾の一発や二発軽い軽い!
「俺、先に外出て待ってるからなー」
パタンと閉めるドアを壁にして、ふっと笑う。
っとに可愛いよな
素直じゃないとこも、強がるとこも
気のつよーいとこも、どこまでも俺の好みにドンピシャ
なんもかわらない....
....なんもな?
左足を床に2回打ち付ければ、広がる秋空
まっぶしーわー、なんて一人言を一つ
こんなに好きなのにさ、なかなか伝わんねーんだよな。
違うか、伝わって欲しくねえのかもしんねぇ
ポケットから煙草を一本出して、口にくわえる。
カランと音をたてて、ジッポのふたを開け煙草に火をつけて深く吸い込む。
蜻蛉の絵のついたジッポ
鈴音からの贈り物
数回ふたを開け閉めして、その音を楽しむ
....とに、いい歳して俺ってほんと子どもだよな
煙草の味はわかっても、好きな女に素直になれねーんだからさ....