第19章 金木犀の香りはデートの予感?
ものすごい笑顔で、辛辣な言葉を吐いてくる鈴音
あちゃー相当に機嫌が悪いみたい。
「そんなこと言われたらお兄ちゃん泣いちゃうよー?いーの?」
「泣け、叫べ、そして灰になって空高く飛んで大地の生け贄になれ」
なにその言い回し、カラ松みたい
ほんと、他の兄弟と仲良くなっちゃってまー
妬けちゃうねー
「んな怒んないのー、ただのヴァンパイアジョークじゃん」
「頼む、頼むから日光あたって燃えつきてくんない?」
鈴音の機嫌は悪くなっていくばかり
あれだよ?少なくとも女の子のする顔じゃないな
冷めた笑顔を顔に張り付けてて、かなり
いや
結構怖い
「ほら、トド松はさー鈴音のこと大事におもってんだって、だからあんなふうに言ったんだよ」
冷めて笑ってたのが少し悲しそうな顔をしながら、下を向く。
さらさらの黒い髪が、鈴音の顔にかかって表情を隠す。
本当はあんなふうにケンカしたの気にかけてるし、結構落ち込んでる。
あーモヤモヤする
他の奴のことでそんな顔をされるとさー
....でも残念ながら俺はちゃんとお兄ちゃんをしちゃうわけで
「まっ、トド松は不器用なんだよ?器用そうに見えて本当はどっか不器用なんだよな。だから許してやってくんねぇ?」
「....うん」
ほら、そんな悲しそうな顔すんなよ?って頭をポンポンと叩く
....こりゃ、相当に落ち込んでんな
「まっ、俺は鈴音のやさしー気持ちもわからなくもないけど?」