第18章 お茶会にはイチョウを添えて
銀でできた懐中時計だ。
蓋にハトが2羽仲むつまじく彫りこまれている。
ハトの目にはめこまれたサファイアが、キラキラと輝いていた。
綺麗だなと思いながら、くるりと後ろを向けると、松の模様と【Karamatu Lady】と筆記体で彫りこまれている。
うん、ここはいらん。
物凄く嫌な予感をしながら、パチンと時計をあける。
あっ、時計のとこ綺麗だな。
中の歯車が剥き出しに見えるデザインだ。
秒針の真ん中に青く光るサファイアがこれまたキラキラと輝いている。
うん、いいじゃんって思ったでしょ?
え?あぁ、そんなわけないって?
大正解。
ははっ!予想通り過ぎて嫌だわ!
蓋の裏側にはバスローブを着て、口に薔薇をくわえた、イッタいイッタい姿のカラ松の写真がついてた....
しかもご丁寧にガラスでおおわれているので、それだけ外すのは不可能にちかい。
「なに、この嬉しい感じと嫌がらせをミックスしたイッタい時計」
いつのまにか入っていたその時計をパチンと閉めながら、ため息をつく。
うん、送り主は間違えなくイタ松であることに代わりないけどさ
いや間違えようもないよね。
そして、察するにこれは何かしらの結界を張れるんだろう。
うまいこと結界が張れた為、十四松くんの思いが詰まったお茶会は守られた。
でも、でもねひとつだけ言わせて
これはないわー
イッタい、イタすぎる。