第18章 お茶会にはイチョウを添えて
「うおおおお!!!?!十四松くーーーーーん!!!」
私がありがとうの気持ちにキスしたら、あろうことか十四松くんがぶっ倒れてしまった。
顔を真っ赤にして泡を吹いて、目をグルグルまわしてる。
「マ、マジか」
しまった、悪いことをしてしまった。
あんまり嬉しかったもんだから、つい
子どもに愛しいのキスをするようなそんな感じだったのに、とんでもないことに
と、ともかくこのままじゃダメだ
そう思って、ふかふかの落ち葉の上に座り込む。
十四松くんの頭を自分の膝の上に乗せる。
でも問題が全部解決した訳ではない。
「どうしよ、これ.... 」
ポツリと呟いた先にあるのは、十四松くんが用意してくれたお茶菓子たちだ。
このまま放っておいたらせっかくのお菓子たちが乾燥してしまう。
「ジッパーとか落ちてないかな....」
まぁ、そんなものこの自然が唸ってるメルヘンいっぱいな森の中に落ちているわけもない。
いや落ちてても使うわけない。
どうしたもんかと考えていたら、いきなりポケットが光り出す。
「うお!?なに!なにこれ!」
ふわりと青い光が、テーブルの周りを包み込む。
何事かと思って、ポケットに手を突っ込めばヒヤリと冷たくて丸いものが手に当たった。
丸いものの先にはチェーンらしきものが伸びている。
私はそれをグイッと引っ張り出した。
「....綺麗」
青い光に包まれたそれは、ふたつきの懐中時計だった。