第18章 お茶会にはイチョウを添えて
やることというのは、他でもない。
「....ベルフェゴール、毎回毎回言うけど私の部屋に入ってヨダレをたらしながら私が起きるのを待つのをやめなさい」
「鈴音お姉様!!おはようございます!!」
耳をぴくぴくさせながら、嬉しそうに挨拶をするベルフェゴール。
すっかりなつかれてしまったようで、毎朝こんな感じだ。
「ベルフェゴール、ほんとにキャラどこに置いてきたの?」
ただでさえキャラの濃すぎる松坊っちゃん達がいるというのに、その上メイドまでこれではどうしていいかわからない。
「鈴音お姉様ひどいです!ベルって呼んでくださいってうち言いました!」
初期の登場とは変わりすぎていて困惑する。
わかったわかったとなだめると、にこっと八重歯をみせる。
「鈴音お姉様!朝ご飯をお持ちしました!今日はベルがつくったんですよ!!」
尻尾をゆらゆら揺らしながら、バッとお皿を見せてくる。
数枚重なったパンケーキがお皿に乗っていた。
上に乗せられたアイス型のバターの横に、顔がチョコペンで書かれた猫型のパンケーキとミント、ハート型の苺がちょこんと添えられている。
パンケーキのまわりには、カットした葡萄とマスカットが交互に並べられていて、その横にちょこちょこと猫の足跡がチョコペンで書かれていた。
「ごめん、食べれない」
その一言にピタリと止まって、ものスゴく悲しそうな顔するベル。
あっ違う、そういう意味でない
「そ、その....猫さんが可愛くて食べれない」
顔を背けて、口元に手を当てる。
「!!!?!.... も」
も?
「萌えーーーーーー!!!!!!」