第17章 水の底でダンスを....
「はーっ!笑った笑った」
本来の目的を忘れているんじゃないか、レディ?まぁレディが笑ってくれるならいいが。
タコを海へと返しながらそんなことを思っていたら、衝撃の台詞が飛び出す。
「笑いすぎて死ぬかと思った。川の先でいつぞやのみぞれかき氷が呼んでた気がしたよ」
な!?!そ、それは!俗に言うさんずの川というやつじゃないのか?!
「レディ!それは渡っちゃダメだぁー!」
「いや、渡りそうになったことの発端はお前だからな」
真顔でそんなことを言われてしまった。
くっ、俺ってやつは愛するレディを死へと追いやってしまったのか、罪深い男だな俺は
「いや、大丈夫大丈夫だから、ほら私も断崖絶壁からカラ松落としちゃったじゃん!だからほら落ち込まないで!」
半笑いのレディ。
あぁ、俺を許してくれるのか?なんて優しいんだレディ!
「優しいなレディ、さてそろそろ本当に行こうか」
手を差し出すと、なんの疑いもなくふわりと乗せられるレディの手
遠い記憶が頭をすり抜ければ、意識を彼方へと飛ばされてしまうような感覚に襲われる。
「カラ松?」
名前を呼ばれ、ハッとする。
いけないいけない、俺としたことが少し目眩がしてしまったみたいだな。
心の目眩ってやつか....
「でさ、どうやっていくの?本当に?」
その言葉を合図に、俺とレディの周りに薄く結界を張る。
「なにこれ?泡?膜?」
「この中なら海の水圧も空気も心配ない、行くぞ」
そう言って俺たちは一歩を踏み出した。