第17章 水の底でダンスを....
「レディ、たしかに俺は、いや俺たちは不死身みたいなもんだが....」
水がポタポタと滴る、スパンコールの入ったマントをぎゅうっと絞りながら語り出す。
「だからって、断崖絶壁から飛び降りて無事というわけではないんだぞ」
「ご、ごめ、ぶっ.... いやっ、うん、くくっ、いや、うん、悪いと、悪いとおもって.... ブッハッ!」
必死に口元に手を当てながら、笑いを堪える。
いや、うん、確かにね?
崖から膝かっくんしたのは悪かったと思ってるよ?
そこに嘘とか偽りとかないんだけどさ。
「全く....困ったレディだな.... 」
「ぶーっ!!はっ!もうダメ!無理!死ぬ!」
ダメだ、そんな状態でサングラスをかけないでくれ!そして格好をつけないでくれ!
「な!?死ぬ!!!?どうしたレディ!!」
「やめてぇー!ほんとやめてぇ!カラ松に殺されるぅぅ!!あーっはっは!!!」
「な!クソっ!何故だ!俺はなにもしてないのに、なぜこんなにレディを傷つけるんだ!....はっ!これが愛の痛みなのか....
レディを愛することが罪だと!?!」
私の腹筋は決壊寸前だ。
何故?うん、それはね。
「なんで、どっから、そのでっかいコンブ!
どっから頭にのせてきたの?
後背中にタコが引っ付いてるよ!しかもなにそのタコ!サングラスかけてんじゃん!イッテー!
そんな状態で格好つけてるとこがイッテー!痛すぎるわ!殺す気か!」
笑いながらそう言えば、頭に乗っかっているコンブをずるりと手に持ち、何故かまじまじと眺める。
「おおっ、俺の愛がコンブに乗り移ったのか....だからこんなに大きくなったんだな.... 磯の香りがこんなに.... ふっ....ミネラルたっぷりだ」
意味わかんねー!
引くわー!
そして、馬鹿だね!本当に馬鹿だね!
コンブネタで5分ほど笑い続けた。