第17章 水の底でダンスを....
ザッッパーンッッ!!
「で、なんでわざわざこんなとこに来たの?」
断崖絶壁の前に立つ私とイタ松。
船越●一郎さんがどこからともなくやってきて、犯人の身の上話を聞いて自殺を止めにくるようなシチュエーションがピッタリだ。
昼間とかだったらもうこれは狙ってるだろうとしか思えない。
「ふっ....レディ、さぁ俺とこの深い海の底、共に沈んで溶け合いあの空を行く風にならないか?」
いや、サングラスかけながら決め顔で言われても....
つか二時間ドラマか!
そして夜にサングラスかける意味!
「大丈夫だ、何故なら二人はディスティニーだからな!!」
昼ドラか!
やめろよ!そこらへん今微妙なんだから!
「俺は死なん!」
10●回目のプロポーズか!
趣旨が変わっていってるじゃねーか!
「じゃあ私船越●一郎になるわ」
「パードゥン!!?何故だレディ!」
「やめるんだカラ松、松代さんが泣いてるぞー」
ものすっごい片言でそういえば、なぜかドシャアっとその場にひざまずく二時間ドラ松
「な、なんということだ、マザーが泣く!?俺はこんなにも皆を愛しているというのに、自身を生み出してくれたマザーでさえ傷つけるというのか!」
もうなんなんだよ、こいつ。
ため息をつきながら見ていると、今度はいきなり立ち上がってふっと、また長いタメをする。
「これが....ハリネズミのジレンマってやつ.... ってどうわぁぁ!!」
「一人で落ちてろ」
もううるさかったので、後ろから軽く膝かっくんした。