第4章 緑色の異端な光
緑色のヴァンパイアは優しく笑う。
子犬とか子猫とかそんな愛らしくて、弱いものを愛でるような瞳で
「なんでもって言ってくれた.... よね?」
子どもを諭すように、穏やかな口調だ。
そっと頬を撫でられる。
綺麗な指先がつうっと首筋に優しく触れる。
「自分の言葉には、責任をもたないと.... ね?」
さっきまでと別人だった。
有無を言わさない瞳、口調、雰囲気
慌てて顔を染めていたチョロ松くんはどこへいったんだろう。
「.... そうだね、わかった。吸いなよ」
じっとチョロ松くんをみつめる。
凄く凄く嬉しそうな笑みを溢すチョロ松くんに、拒否という選択肢は完全にかき消された。
「そのかわり.... 」
「なに?」
「.... 後でちゃんと治してよ?」
その言葉にふっと笑うと、もちろんと言われてほっとした。
「大丈夫.... 痛くしないように気を付けるから」
距離が縮まる....
柔軟剤と消毒液の混ざった匂いが、強く強くなっていく。
私は目をつむった....
チョロ松くんが優しいのはわかってるつもりだけど、さすがに怖すぎる。
首筋に熱い吐息を感じる、興奮してるんだ。
つうっと首筋を舐められる。
「あ....!」
高い声が口から漏れ出す。
今私、味見されてるんだ。