第17章 水の底でダンスを....
「っと、いけない当初の目的を忘れるところだったな」
いきなり現実に引き戻される。
「たしかに、これじゃただの海を見に来た人じゃん」
さらさらの砂をブーツで弄びながら笑った。
それにしてもブーツが邪魔だな。
歩きにくくて仕方ない。
そう思ってブーツに手をかけようとした瞬間、それを止められた。
「レディ、ブーツを脱いだら踊れないだろう?」
「いやだって砂で歩きにくいし、そもそもこんなさらさらの砂の上じゃダンス練習なんてできないでしょ?」
歩きにくいったらない。
そんなことを言っていた私の手をそっととる。
「レディ、踊るのはここじゃない彼処だ」
そう言って指を指してるのは海だ。
「なに寝惚けてんの?夜だけど本当の時間は昼間だよ?あっ、いやヴァンパイアだから逆なのか?あーややこしいな」
「いやレディ、俺は寝ぼけてないぞ?海の底を見るんだ」
訝しげな顔をしながら、言われた通り素直に海面を覗く。
!!?!
「い、い、イタ松や?海の中に何かあるんだけど!!」
透明度の高い海の底
白い白い建物がゆらゆらと海面に揺れていた。
「ビューティフルだろう?レディ?レディが初めてダンスをするのだから、これぐらいビューティフルなところでないとな?」
いやもう意味がわからない、そしてそれどころじゃない
てゆーか行けるの?!
海の底だよ!?どうやっていくの!?
「ねぇ、この辺り亀いないよね?どうやっていくの?」
ふっと笑った後に
「レディ............
ノープログレムだ!」
どこがだ!