第17章 水の底でダンスを....
あんなことがあって数日。
思い出しても、顔が破裂してしまうんじゃないかってくらい恥ずかしい。
あの後起きたら、もう横にはチョロ松くんは居なくて。
体が綺麗になっていて、ふわりと自分の体からチョロ松くんの柔軟剤の香りがした。
ベットサイドテーブル置かれた薬とお水。
『無理させてしまってごめん、ちゃんと飲んでおいてね.... 』
って書かれたメモ、合意の上でやった訳じゃないからだななんて冷静な頭で考えてたっけ。
庭をざかざか掃きながら、はぁっとため息をつく。
ふわりひらりと落ちてくる紅葉。
あの夜と同じ、紅い色。
チョロ松くんの艶やかな吐息を思い出せば、顔が爆発しそうになる。
....だ、ダメ!もうダメ!思い出すの禁止!いやもう思い出せるか!忘却じゃ!
ざかざかざかざか!!
ものスゴい勢いで、落ち葉の山ができる。
しまった!危険だ!
私は落ち葉の山から二、三歩距離をとる。
何故って?うん、今にわかるよ。
ちらっと腕時計をみながら数を数える、そろそろか。
ドドドドっと向こうから砂煙が巻き上がっている。目的地は間違いなくここだ。
もう一歩離れとこ。
ばっ!っと太陽をバックに両手をぴんっと伸ばして落ち葉に飛び込む影
「おおおおおおうぅぅぅ!!!バタフラーーーーーイ!」
おおっ、46秒か新記録だな。
せっかく集めた落ち葉が、ぶわっと空へ舞い上がる。
そう、このお屋敷で落ち葉を高く詰んではいけない。
なぜなら何処からともなく十四松くんが降ってくるからだ。