第16章 紅葉は紅く染まる
「もうやだっっ.... 」
震える身体は自分の物じゃないみたいだ。
紅い
窓を彩る紅葉も
静かにこの行為を照らす月も
チョロ松くんの瞳も
「あぁぁっぁっ.... 」
刺激し続けられたその部分から全身に駆け抜ける快楽が、いっきに突き抜けた。面白いくらい弓なりにしなる体。
「....イッたの?」
否定できない言葉が、胸に突き刺さる。
なんでこんなに悔しいんだろう。
「ふうん、そうやって黙るんだ....悪い子だね」
「あっ!?ああんっ!!」
ぐぷっと音がして、下半身が一気に熱くなった。
「はあっ.... 気持ちい.... よ?これで、君は僕の.... 」
ピタリと会話が途切れた。
大きく目を見開く、月と同じ色
「なんで....なんで痛がらないの?....まさか」
私と繋がる部分をそっと撫でる。
月明かりにチョロ松くんの指がさらされる。二本の開いた指からは、透明な体液がつうっと糸をひいて消えた。
「....嘘でしょ?.... こんなこと.... 鈴音?もうすでに誰かのだったの....?」
私と繋がったまま、暗い影を落とすチョロ松くん。
ゆっくりゆっくり顔が近づいてくる、紅い紅い瞳が目の前に....
「こんなに恋い焦がれて、やっと、やっと、手にいれたと思ったのに....... 」
紅い瞳に黒い影がうっすらと宿る....
辛く悲しそうな瞳が揺れる
そんなに、想っていたの?
私を....
こんな酷いことをさせてしまうほどに....