第4章 緑色の異端な光
「ジャンヌ・ダルクが異端者として火あぶりにされて殺されたのって知ってる?」
唐突に話始める鈴音ちゃん
「うん、知ってるよ?敵の捕虜となってしまったジャンヌ・ダルクは、魔女裁判にかけられて火あぶりにされてしまうって話だっけ?」
人間界の事を見てきたわけだから知らないわけではないけど、どうしてそんなことを聞かれているのか検討がつかない....
「ねぇ?ジャンヌはどうして火あぶりにされなきゃならなかったのかな?」
なにその質問....
捕虜としての意味をなさなくなったら殺すんじゃないの?
たしかシャルル七世はジャンヌの身代金を渡さなかったはずだし
「それはね、きっとジャンヌは異端者でなければならなかったからなんだと思うの、少なくとも其処にいた人にとっては.... 」
なにが言いたいのかさっぱりわからない
「身勝手な話だよね、異端者にされてるやつはたまったもんじゃないよ?それで殺されちゃうんだから尚更。
でもねジャンヌの死後さ、再度裁判が行われてジャンヌは異端者じゃなくて聖人になるでしょ?」
鈴音ちゃん、君は....
「チョロ松くんのいる世界は、チョロ松くんが異端者でなくてはならない世界なんだね?でもきっとチョロ松くんがジャンヌ・ダルクになる日がくるんじゃないかなって?
今日がその一歩」
にこって笑う鈴音ちゃん
「助けてくれてありがとう、チョロ松くん」