第15章 祭り囃子と夏の終わりー後編ー
風をまとってふわりと二人で地面に降り立つ。
その一瞬、パチンとなにかの弾ける音がした。
「!!!鈴音ちゃんだ!!」
ぱたぱたと嬉しそうにこちらにやって来るのは、十四松くんだ。
「どうしたの?カラ松兄さんに抱っこされるなんてらしくないね?」
スマートフォンを何故かこちらに向けながら、フラッシュをたくあざトッティ。
「ねぇ?激しくききたくないんだけど、なんで今撮ったの?」
「大丈夫だよー、記念だよ、き、ね、ん!
これを使って、のちのち鈴音ちゃんをからかって遊ぼうなんて考えてないよ!」
遊ぶきだよね、だからこそ連写でフラッシュをたいたんだよね。間違えないよね。
「チョロ松ぅ~、お兄ちゃん次はビールが飲みたいなぁん」
「それ以上飲んだら帰れなくなるからダメ!」
「んだよ~チョロシコスキー、せっかくの祭りなんだぜ?堅いこというなよー」
予想通りというべきか、馬鹿に絡みに絡まれているチョロ松くん。不憫すぎる。できあがってる馬鹿に絡まれている、チョロ松くんの不機嫌な顔ときたら。
もうどこまでも予想通り。
「取り込んでいる所をすまない、チョロ松、レディの足をみてやってくれないか?」
まさかのここで助け船を出したのは、カラ松だ。何だかんだで次男の役割を果たしてるんだとちょっと感動したわ。
「ほら、おそ松、ビールなら俺が買ってきてやるから」
「おい、クソ松、ついでに焼きそば買ってこい10秒でな」
いつのまにかカラ松の真後ろに、ゲスい顔した一松くんが立っていた。